雪虫



 吐く息に跡が付いて、雪虫が空に舞い始めると、冬は近い。あたかも雪虫たちは自分たちが雪の使者であるかのように街中に舞いだす。雪などまだ降らぬ、雲ひとつ無い青空の下で舞いだす。太陽の下の雪虫たちはあたかもダイアモンドダストのようにその羽根を動かし、音も無く舞い降る雪のように空中に漂う。

 つまりはこの街には年に3度雪が舞うわけだ。

 初夏に舞うポプラの綿毛。

 晩秋に舞う雪虫。

 そしてやがて冬になり否応無く降り出す本物の雪。



 どうやらこの街の神様はこの色が好みらしい。





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