愛してると言ってしまえばいい



 私はあなたを超えてしまったのでは無いかと、ほんの少しだけ人間らしい感情を持ってみようかと、ほんの少しだけそんな心に流されてしまおうかと、入るだけのアルコールを体に詰め込みながら考えていたあの夜。

 あなたが心の底では気にし続けている人間を、私はいとも簡単に切り捨てる事が出来る。残念ながら「関係ないだろ」と言い捨てる事の出来る人間として。多数の「関係無い」と言い捨てる事が出来る人間の上に、私の体と心は成立し続けて来ているのは分かっている。

 だからどうした、自分で見切りをつけてしまった人間からの励ましの言葉だったり、見切りをつけてしまった、つけざるを得なかった事への優越感など。心を惑わす事にはなれど、進み行く道へ膜を張ってしまう事はあれど。

 私は私を生きていくだけで、大切にしたいと思うものを大切にするだけで、そこに理由やきっかけなど存在はしない。原因の全てを探っていってしまえば、人はアダムとイブにまで辿り着いてしまうんじゃないの?

 感情の根源を人に委ねるなんて。愛してると言ってしまえばいい。愛という言葉の中には拒絶や否定という言葉は含まれない事を、自分を体で日々実践していけばいい。





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