それまではかまっていてくれよ



 わかってるよ、あんたがいい男だって事は。そして私は今の男と別れる事になったとしても、あんたとの関係は続くことになるのもハッキリ分かってる。今まで何年ももそうだったし。今まで何人も男は変わったけど、変わってないのはあんただけだ。たまに悔しいと思うけど、どうしようもない事実だ。

 あんたの望みどおりに私は幸せになるよ。絶対にね。「そうじゃないと俺が存在する意味が無い」と言ったあんたの望みどおりに。私もそう思うよ。私も幸せにならないと、絶対に手に入らないと分かりながらもあんたに恋焦がれた事に意味がなくなってしまう。

 男とダメになりそうになったり実際別れた時に、延々と電話に付き合ってくれたり、そこで泣き出してしまう女の戯言に付き合ってくれたり。「やりたいだけだよ」と優しいいい訳を言いながら、時には抱いてくれたり抱いてくれなかったり。

 「本当は俺の事なんか忘れてしまえ。それがお前にとって一番の幸せだよ。」って、分かりきってる事を、でもそう簡単には言えない事を何度も私に言ってくれて。そのくせ酔っ払って電話してくるあんたの着信を受けるか受けまいかと考えてる時の、私の気持ちなんか分からないくせして。

 考えてみたら私だっていい女だ。ある意味あんたの影の女で居続けたんだから、そういう意味ではお互い様だ。

 今は男が居るからね。あんたの事なんか滅多な事じゃ思い出さない。男の居ない夜に都合良く思い出して、精々ノロケさせてもらう。そして私から一切連絡が無くなったら、あんたの事を完全に忘れて本当に幸せになったと思ってて。その代わり、それまでは、少しでもどこかに不安があるうちは、絶対にあんたは離さない。

 それまではかまっていてくれよ。





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