何時までも鳴らぬ鐘



 君のその胸を痛むるは恋心でも無く
 人を想い馳せるが故に起こるものでもなく
 かの時の空と同じく如何様にも変わり行く
 何処までも定まらぬ君が心の言い訳に過ぎぬ

 それを愛と呼ぶ事なかれ
 それを恋と呼ぶ事なかれ

 ニセアカシヤの香りに惑わされし夜も
 金木犀の香りに惑わされし夜も
 只々君が心が定まらぬ限りは
 只々月の光に照らされぬ限りは

 蝉にも蛍にもなれぬ
 桜舞い散る十六夜に涙する事も出来ぬ
 三日月の器から零れる星を拾う事も出来ぬ

   想う事





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