とまどい



 二十数年女として生きてきたこの私が、手の置き場所に困るなんて。

 今まではそれなりにこなしてきたのだろう。何も考えずに只時間が過ぎ去るのを待っていれば良かったのだから。何も考えずに只行為に没頭していれば良かったのだから。

 どの男も同じように始まり、同じように終わる。そして当然その中身は全て同じだった。毛色の変わった事を始めたとしても、最後に辿り着く先はみんな一緒だった。

 そしてその間中私は何も考えずに目を閉じ、たまに目を開けて男の顔を見ては、それらしい表情を浮かべてさえいれば良かった。今日もそのはずだった。

 この手が、目の前にあるものに触れたがっている事に気が付いてしまって、私は何をどうしていいかわからなくなってしまっていた。今まで通りにしていれば何もおかしな事にならないはずなのだけど、今までしてきたことが頭のどこにも残っていなかった。

 この手はどこへ置けば良いのだろう。

 「願わくばあなたが一番安心できる場所へ。」などと思っている私はいったいどうしてしまったのだろう。





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